去勢・避妊手術について

繁殖・妊娠を回避すると同時に、生殖器に関連した病気の予防にもなります。

問題行動の軽減(抑制)を目的として実施することもあります。

去勢手術について

  • 犬は、陰嚢前方または直上の皮膚を切開し、精巣を摘出します。
  • 猫は、陰嚢直上の皮膚を切開し、精巣を摘出します。
  • 潜在精巣(陰睾)の場合は、鼠径部や腹部の切開が必要になることもあります。
  • 犬では、精巣から分泌されるホルモン影響が示唆されている前立腺肥大、肛門周囲線種や会陰ヘルニアの発生を抑えることができると言われています。

避妊手術について

  • ホルモン剤の注射やインプラントによる一時的な方法と、手術で卵巣あるいは子宮の両方を摘出する方法があります。
  • 当院では通常は卵巣摘出術を実施しています。
  • 犬では、乳腺腫瘍の発生率が、初回発情前に避妊手術をすることで99.5%、1回発情後で92%、2回発情後で74%抑えることができると言われています。
  • 猫では、乳腺腫瘍の発生率(危険率)は、生後6か月齢以内の実施で9%、6~12ヵ月齢で14%と報告されています。

費用について

  • 体重や年齢、健康状態によって異なります。
  • 手術の際の全身麻酔のリスクを評価するために、血液検査、画像検査をおすすめします。

 

手術前後の注意点

  • 去勢手術の場合、通常は犬猫ともに当日退院となります。
  • 避妊手術の場合、通常は犬猫ともに翌日退院となります。
  • 犬の去勢・避妊手術、猫の避妊手術は手術後1週間~10日程で抜糸が必要となります。猫の去勢手術は抜糸はありません。
  • 手術後1週間程度はできるだけ安静にしてください。
  • 手術は生後5ヵ月齢以降での実施をおすすめしています。
  • 手術後は代謝が変化することにより、肥満傾向になりやすいと言われていますが、適切な食餌管理や運動により防ぐことができます。